持続可能なアジアの水産と海洋環境を実現する国際協働人材育成プログラム AFIMA Leaders Program 令和5年度 学生成果発表会
2023年夏に、長崎大学からAFIMA Leaders Programへ短期留学したのは5名でした。マレーシアトレンガンヌ大学と釜慶大学校で学んだ成果を発表しました。それぞれの発表内容をご紹介します。
岡本遼 おかもとりょう
環境科学部 4年
マレーシアトレンガヌ大学に約2カ月半留学
様々なフィールドワークで
現地の自然環境を体感
トレンガヌ大学では魚の微生物や経済学、魚の標本についての講義を受けました。クランタンで行われたフィールドワークでは、漁港や魚市場で手に入れた魚で標本を作り、図鑑を製作。ビドン島で体験したシュノーケリングや底引き網漁も印象的でした。そこではトカゲ、リス、長崎では見ることのできない小魚やサンゴ礁とも出合え、貴重な時間を過ごしました。留学期間は不安もありましたが、現地の先生や学生たちが親切で何かと助けてくれたので、無事に乗り切れました。これらの経験はこれからの人生に活かしていきたいです。
標本作成の様子
授業で訪れた美しいビドン島
木藪旬弥 きやぶしゅんや
水産学部4年
マレーシアトレンガヌ大学に約2ヶ月半留学
マレーシアの国民性に影響を受けて
自分自身の積極性も増した
私は元々、動物プランクトンについて研究していました。これまでの研究をさらに発展させたいと思い、今回留学を決意。トレンガヌ大学では専門外の分野の授業があったり、マレー語を使用する機会が多かったりして困ったこともありましたが、周囲の優しさに支えられました。魚にフェザーミール(親鶏の羽毛が原料の飼料)とイーストとを与えてそれぞれの個体数の変化を調べた研究では、一定の成果が出せて嬉しかったです。マレーシアの人たちの外交的な性格や、学びに対して積極的な姿勢にも大きな影響を受けました。自分を成長させてくれたのは確かです。
魚の個体数変化を調べた研究プロジェクト
マレーシアは気さくで明るい人ばかり
中瀬研人 なかせけんと
水産学部2年
釜慶大学校に約4ヶ月留学
他文化の人たちと
想いを伝え合う必要性と難しさを実感
水産資源の管理に国際的な視点を持つこと、語学力の向上、韓国文化の体験を目的に釜慶大学校へ留学しました。グローバル水産経済論の講義では、持続可能な水産資源商品についてのマーケティングプランの提案をし、自分の意見を正しく伝えることの難しさを感じました。チェジュ島への乗船実習もあり、漁の様子や養殖場を見学。島の食べ物を食する機会もあり、文化的側面からも良い経験ができたと思います。現地では英語を使う機会が多く、英語が話せると世界観が広がると再認識しました。
M S Cへのインターンシップも行いました
乗船実習の様子
杉戸美寧 すぎとみね
水産学部1年
釜慶大学校に約4ヶ月留学
違う角度から水産を学び
考え方が変わった
釜慶大学校で水産経営経済を学びました。講義によっては2、3回発表を求められるものがあり、授業へ積極的な参加が必要でした。図書館が充実していて過ごしやすかったので、4500字以上のレポート課題が出題された時にはそこにこもって作成しました。レポートのみならず、現地の使用言語の約7割が英語だったため、英語力は向上したと思います。今回は韓国の水産事情や水産加工品をどうやって売るかなど、経済面から水産にアプローチする学びが中心。私は元々生物系の専攻でしたが、全く違う角度から水産を見られたのはとても良い経験に。考え方が変わりました。
魚類専門の市場として韓国最大規模のチャガルチ市場
先生が交流の機会として用意してくれたヨット会
山本悠理 やまもとゆうり
大学院水産・環境科学総合研究科 博士前期課程1年
釜山大学校に約4ヶ月留学
グローバル水産学と向き合い
研究姿勢や意欲が向上
グローバル水産学に関する講義では、その内容だけでなく、多様な国々の学生の意見を聞くことで学びが深まりました。課外活動では、海産物と漁業に焦点を当てた国際的な展示会「BISFE2023」に参加。釜山で実際の水産物の国際取引現場を体感したことで、これからのグローバル水産業に対する意欲を掻き立てられました。学会で研究発表を行った時には、海外の先生方から質問や指摘を受ける貴重な機会を得、自身の研究を見直す良いきっかけにもなりました。
BISFE2023には養殖業者から水産加工機器メーカーまで様々な企業が参加
学会発表の様子